環境建築設計の土地有効活用によるデザイナーズマンション賃貸物件 ( 新宿区 上落合 )
【全体構成】
計画敷地は南側に将来拡幅予定のある早稲田通りが面しており、敷地北側地中を地下鉄東京メトロ東西線が専有しておりました。
それらの条件のために、南側は建坪も狭めて変形した平面形状となる14階建ての高層棟として、北側は地下への荷重の関係で4階建ての低層棟として計画しました。
しかし、その条件の中で生まれる形状や建物間の隙間というものを大事に考え、工事現場から初めて知り得る、風・光・音なども参考にしながら静かな表情を持つ建物になるように完成まで丁寧にまとめていきました。
【共用スペース】
早稲田通り拡幅部となる1階については、解体可能な構造としながらもビル風対策も考慮した植栽帯を持たせ、トンネルの様な導入部も含め立体的な前庭となる「ハレ」の場とししました。
また、低層部との隙間により生まれる中庭やエントランスホールは、喧噪的な幹線道路と対比させ「静寂」をテーマにした「ケ」の場所として光や風や音の在り方を考えました。
住戸へ至る開放廊下は、北側にある施主である高山氏のお宅のあった落合中央公園への眺めが良いことを生かそうと、上から下までの開放性を考えました。
また、階段においても通常隠されてしまう消防設備と組み合わせ、建物の上から下まで通る配管を組子細工のような軽やかなものとして表現できたらと計画しました。
【居住スペース】
居住部については、各住戸の形が不整形な為、特にリビングなどは出来る限り工夫をし台所などとの空間のつながりや場所の広がりを確保できる様に考えました。
開口部については、幹線道路に面しているために、騒音・視線への配慮を考え「光障子」を設けました。光の壁となる障子は住戸空間をニュートラルなものにさせ、その表情が「落ち着いた空間」とさせることが出来るのではないかと考えています。
今物件は、東京都の都民住宅の許可を得ている関係上、動線となる部分や水廻り部分に手摺を設けており、他にもユニバーサルデザインとなる為の工夫をいくつか行っています。
【あとがき】
この建物の建設中に施主であった高山雄次氏がお亡くなりになるという出来事がありました。
建物は元々高山氏の屋敷のあった落合中央公園の傍に建つロケーションにあります。今後、この建物が高山氏ゆかりの落合の地を、故人の人柄のように静粛に見守るような存在となることとなるように願っております。
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