ご入居者様インタビュー(VILLAGE VERT松濤)

VILLAGE VERT松濤」は、JR渋谷駅から徒歩12分。スイス大使館、(旧)観世能楽堂などにほど近い、閑静な住宅街にあります。

傾斜した前面道路沿いに建つ4階建の集合住宅で、賃貸6戸+オーナー住宅1戸の全7戸。今回は、1FにあるSOHOをイメージして設計された1LDKをアトリエとしてお使いいただいているH+PARTNERS INC.にお邪魔し、代表の菊川博子様にお話を伺いました。

H+PARTNERS INC. 代表 菊川博子様― 最初に菊川さんの経歴やお仕事内容を教えていただけますか?
 私は建築を2年間勉強した後、家具ブランドcassina Ixc.に10年ほど勤めました。世界中の上質なモノ・空間を肌で感じた経験がいろいろな面でとても勉強になりましたし、特に天然素材、中でもリネン(亜麻)に強く惹かれました。
 その後、起業し、もうすぐ15年が経ちます。運営しているオンラインサイト LINEN & DECORは、「Natural & Luxury」をキーワードに、上質なホームリネンをはじめ、ガラス・オブジェ、ラタン・ファニチャー、タッセルといった天然素材ならではのテクスチャーを大切にしたアイテムの企画・輸入・販売、そして、それらを美しくしつらえるインテリアコーディネート業務を展開しています。

― 今日も素敵なリネンのシャツを着ていらっしゃいますね。そして、アトリエもナチュラルで上質な雰囲気が満ち溢れています。さて、「VILLAGE VERT松濤」に入居するきっかけを教えてください。
 
以前は二子玉川にアトリエがありましたが、「もう少し大人っぽい雰囲気に変えたいな」と思って、自分で物件を探し始めたのがきっかけです。

― どんなイメージの物件を探していたのですか?
 
アトリエとして使いたいので、ちょっと住宅の雰囲気を残しつつも、生活感が出過ぎない空間。目の肥えたバイヤーの方たちがいらしたときに、気分が上がるような外観や共用部があるとか、トータルで上質で大人っぽい雰囲気を持っている物件ですね。
 でも、なかなか気に入った物件が見つからないので仲介業者さんに相談したら、「菊川さんが求める物件は少ないですよ」と言われつつこちらを紹介され、すごく気に入って決めてしまいました。

― 内見したときの印象は?
 
どちらかというと、駅から離れた閑静なエリアで物件を探していたんです。渋谷はごちゃごちゃしたイメージがあって、商店街にも近いし「どうかな?」と思いながら角を曲がったら…「えっ?すごく静か!」。とても閑静で、びっくりしたのを覚えています。

― そして、坂を上がっていくと「VILLAGE VERT松濤」が見えてきます。外観の印象はいかがでしたか?
 
「普通のマンションっぽくなくて、ステキ!」(笑)。グリッドが入っているところが恰好いいし、四角い穴のあいたブロックタイルも印象的で、全体的に上質で、街の雰囲気にもよく合っていると思いました。

― メインエントランスなど、共用部はいかがでしたか?
 
エントランスからのアプローチで一番気に入ったのがフェンスのデザイン。本当にいいんですよね。やりすぎてなく、だけども、何もなされていないわけではない、考えられたシンプルさ。フェンスのドアを開けてアトリエに向かうなんて、「ヒット!」「ステキ!」と思いました(笑)。

エントランスのフェンス
― フェンス脇の壁にインターホンがあって、「え?ここから入るんですか?」という感じになりますよね。
 
お客様もびっくりされますね(笑)。それと、フェンスの横に浮いたようなベンチがあって、それもステキなんです。カギを探すのに荷物を置けますし、座って通りの雰囲気を眺めるのも面白いです。お客様も、早く着いたときはそこに座ってらっしゃるようです。

― フェンスの向こうにSOHOスタイルの1LDKが2戸並んでいて、その奥がこちらのアトリエです。
 
この長いアプローチがまたステキなんです。そして、ドライエリア。これが一番の決め手になったと言っていいほど気に入ってます。普通のマンションだと、エントランスを抜けて廊下があってドアが並んでいて、とか、エレベータを降りたらドアがあって、という感じじゃないですか。でも、このドライエリアが、お客様をお迎えする意味でも、大切な一つの空間になっていると感じます。

― 室内には、とてもすてきな家具や小物があって、上質で居心地のいい雰囲気がただよっています。1年間過ごされてみていかがですか?
 
内見で一瞬見たときの印象と比べても、私は、実際に1年間過ごした今の方がずっと好きです。天井が高くしっとりと落ち着いた感じが気に入っていますね。それと、キッチンのフードが普通の家っぽくない。お客様がいらっしゃると「カフェみたいですね」と言われます(笑)。

― 黒っぽい大型家具と、ベージュ、グレー、オフホワイト…。絶妙な色合いが、お部屋のデザインや雰囲気にとてもよくマッチしていますね。
 私たちのブランドとしても大人っぽいナチュラルをテーマにしています。ナチュラルな麻というと、ともするとほっこりして雑貨寄りになってしまう印象がありますが、それはいやなんです。ヨーロッパの人達はちょっとしたくずし方とかが上手なので、そういうものを求めています。

― オブジェの買い付けはどちらに行かれることが多いんですか?
 
今は、リネンの工場のあるリトアニアを中心にヨーロッパ各地を巡っています。パリで行われる展示会「メゾン・エ・オブジェ」は年一回ほど行きます。

― ドライエリアからの陽光がいいですね。
 
ここは半地下で、道路の騒音も聞こえないし、落ち着きますよね。そして、外光は取り込めるのに、外部の人目は気にならない。ここがすごく大きなポイントで、本当にドライエリアの存在は大きいです。いろいろ探し回りましたが、こうした物件はなかったです。
 いつも外の緑を眺めたり、夕方になると影が伸びてきて…。それを見ているだけで、「ああ、いいな」と癒されます。

ドライエリアからの陽光

― 光や風を取り込むだけではなくて「感じる」ことができる。それが設計者である環境建築設計のコンセプトです。
 
そのコンセプトには、すごく共感できますね。風も、奥の専用庭に面した窓を開けると、いい風が通るんですよ。
 私たちは麻をはじめとしたナチュラルな素材を扱っているので、光や風を体感する感じは常に求めていますから。
 ソファの上にあるクッションは当社で扱っているものですが、そこに光が射すだけで「ああ、いいな」と感じられる。私たちにぴったりの物件で、ご縁があるんだなと感じています。

ソファに光があたり風が通る心地よい空間

― 窓際の家具も素敵ですね。
 
ソファはイタリア製で、奥行きが1mもあり置き場所に困ることが多いんですが、その凹んだスペースにぴったり収まりました。いつも自宅と実家と会社とで、いろんな家具を入れ替えながらコーディネートするんですが、「このソファだけは、ここ!」と(笑)。
 ラタンのセンターテーブルはミャンマーで作られています。ラタンはバリ製品が有名ですが、ミャンマー製もとても質が良くて、有名ホテルでも使われているんですよ。中は収納になっていて、角がとれているのがいい。ねじり編みになっているのがちょっとしたデザインで、アジアンテイストになりすぎず、ヨーロッパのエッセンスが入っているところがポイントです。

― ほかに室内で気に入っているデザインは?
 
玄関ですね。デザインがシンプル。何もない感じが逆に恰好いい。扉も、高さがあっていいですね。
 そして、その横のガラス。ほどよく光が入ってきて、ほどよく外が見える。私が好きな木目のついたコンクリート壁が見える。とても好きです。

― アトリエを訪れたお客様の反応はいかがですか?
 
打合せのときに、「ステキですね!」とか「さすがですね!」と言ってくださいます。うれしいです。

― キッチンの奥にもう一部屋ありますが、どういった使い方をされていますか?
 
バックヤードとして使っています。その向こうに専用庭がありますが、そこにも見上げるほど背の高い木が植わっています。雰囲気に合う家具や小物を置いて季節の移ろいを感じたり、部屋の中をブックシェルフで仕切りまるで通路の奥に秘密の中庭がひろがるような設えを楽しんでいます。

バックヤードの向こうに見える専用庭

― 最後に、環境建築設計と六耀の印象はいかがですか?
 
設計会社と管理会社が一体となって対応してくれるということは私としては初めてのケースですが、やはり安心感がぜんぜん違いますね。担当の方の雰囲気が優しくてお話しやすいです。

H+PARTNERS INC. 代表 菊川博子 様
ブランド名:LINEN & DECOR(リネン&デコール)
https://www.linenanddecor.net/

インタビューにご協力いただきありがとうございました。
(聞き手:ポケット・クリエイション)

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