【等価交換方式により最大のメリットを享受】

一階と二階が地元鶴屋町の町内会集会所と毎年行われるお祭りに使う御神輿の保管場所となっています。三階には分譲用住居が２部屋、最上階に地権者の住居が設けてあるコンパクトな建物です。

　地権者は当初、隣接する鶴屋町ハイツに地権者の一人として入居する計画もありましたが、元々の敷地面積などの条件から鶴屋町ハイツでのシェアが手狭になってしまうという問題があり、別に等価交換してこのＴＣプラザを建築して住むという方法を採りました。等価交換方式はこうした柔軟な対応もでき、地権者が最大のメリットを享受できるという優れた面がある実例です。

　建設に際してはコスト面を重視し、外装もコンクリート打ちっぱなしを採用しました。しかし、オフィス街のなかにあってコンクリート打ちっぱなしのビルは逆に目新しく斬新であるという効果を出しています。

　このほかのデザイン的な特徴としては、メゾネット形式の最上階住居の屋上に設けた天窓です。ビルに囲まれた場所にあるだけに採光に留意しました。また、天窓のサッシは同時期に当社が手がけた別住宅のサッシの余剰分を使用することで、通常は高価になりがちな天窓の建築コストを最小限に抑えています。

　３階の分譲住宅もデザイナーズマンションならではの工夫を取り入れています。ワンルーム型でありながらも、十分な収納スペースなどを確保しているほか、エレベータホール、玄関部には人感センサーライトを設置してセキュリティを心がけています。